End. 『境界を侵犯すること』
(外部からきてしまった場合には、先頭から読むことを推奨します。:
http://lw.hateblo.jp/entry/2014/11/10/013238)
なんで儚月抄について書いたかって?そりゃあもちろん。
[MAIN MENU] 青の宴と二つの望郷 ほか
吸血鬼を載せた三段ロケットが月に行き、月の実力派*1 を引きつける
第二のおとりが賢者の罠に敢えてかかり、月の援護要員*2 に土下座する
侵入の形跡に対して、人々は二重のおとりをしずめて安心する
おとりは月の都での潔白の証明に役立つ(永琳の手紙)
真の狙いは、その間隙に何か探すこと
お団子好きの亡霊は月の宝をもらい受ける *3
「考える葦が…地上は確かに穢れの少ない草原になるだろう。月の民はそれを願うのか。」
もらってきたのは精神的な豊かさを最重視する都の、儚い宝
月の酒が
妖怪を恐れない賢者たちは、正体の分からないものに驚く
幻想郷の力の均衡が保たれる(いつもの)
*2:海と山をつなぐ力
*3:「青の宴」の“無血の勝利”と言う言葉は幽々子視点発言なので矛盾しないのだが… 式神鴉には悪いことをしたようにも見える。なお筆者のことではない。
*4:
*5:若干の解説を兼ねて。この文章は元々あるところのスレ民のために書こうとした数行のメモ書きが、思ったより大規模に巻き込んでしまった責任を取るべく、予定の100倍くらいに長くなっただけでした。伏線はオブザーバーへの招待であったと同時に、ある種のレッテルを逆手に取ったという文脈も抜きにして語ることはできません。スレだけ見てもわからない部分はいろいろあります。何にせよ、分析してみると思った以上に儚月抄の構成が面白いことに気付き、深入りすることになりました。遺跡を発見した考古学者のような気持ちでしょうか。8月にこのエントリーにあたる部分だけでも出さなかったのは、ミスリードの軌道修正や評価やメンツのような、吹けば飛ぶもののために使うのはもったいなかったからでした。(巻頭言が危険なのに加えて、鈴菜庵第21話の配役に脱帽した事情もありますが…。偶然かはともかく。)結果的に、茨歌仙第25話で月の位置づけを確認できたり後の考えを熟成させる期間ができたりで、ちょうどよかったようです。
念のため付け加えておくと、キャラクターとの関係で義理を欠くことをしたわけではないかと思います。したがって参照した記述を何らかの形で汲まれた人についても同様です。本文の途中でも言及してきた通りで、まず儚月抄の世界観上に眠る氷山の一角を点として呼び起こし、次に平面に拡大する試みでした。その意味で、表出していたものはもともとでたらめではないのでご安心ください。 ちなみに、儚月抄に注目したのは他板的な理由によるものでした。個々のサークルさんには全く関係ない旨も断っておきます。
スレ民諸氏、とくによくからんできた某実力派氏には本当にお礼を言わなければなりません。おそらく寝耳に水かと思いますが、本稿が何か参考になる視点を含むとすれば、それは彼らに負うところも大いにあります(コンセプトからアナグラムの原文まで)。ちなみに、「人を待」っていたのもその文脈でした。もとより意思の疎通がないので仕方ないですが、まれに自分の発言が他の人の発言として認識され定着することがあります。こうあって欲しい・欲しくないという願望が作用して、言ったこと・言っていないことは容易に意図から外れていきます。各種のプロフィール的情報も似たようなものです(年齢とか相貌とか)。さらに言えばなり代わり(一部はそもそも勘違いですが)はかなりの頻度で発生しています。おそらく多少の勘違いは残るでしょう。そもそものきっかけもいまだ伏せたままです。それでも劇は終幕であり、あとは、最近なり代わっていた誰か、昔なり代わった誰か、または他の誰かに丸投げする頃合いです(状況がどう出るかは別として…)。あるいはいつかどこかで、誰かが次の段階の正・反・合に至ることでしょう。"私"の役目は、ひとまずおしまいです。
正統な妖怪とは、正体のわからない者です。もし妖怪が結界の外に侵攻するとしたら、その最大の目的は何でしょうか。恐怖や食料というのはとても大事です。しかし、それにとどまらない気がしてなりません。
今回のプロセス全体を経て、儚月抄には汲まれなかった意図がある、とささやかな宣言をする権利を手にしたように思います。最終的に肯定されようと否定されようと無視されようとかまわない話です。月に地上の旗を立てた宇宙飛行士もきっとそうだったのでしょう。人間に対峙する位置をとることで何ができるか。その一つの答えは、人間が忘れてしまった、失われた世界の美しさを宣言することでした。